間取だけじゃない素材の上手な使い方
プラン、間取りは動線や使い勝手を
しっかり話し合って決めますが、
その中に「素材」の選び方によって
室内の空間が全く変わります。
平面図ではわからない素材の使い方
出来上がらないと、見てみないとわからない事が多い
素材を使う提案は、建築家ならではだと思います。
そのいくつかを御紹介します。
【木造で作れる空間】
コミュニティとして作られた
ガラス張りの建物
地域の杉材を生かし
柱から斜めに出ている方杖(ほうづえ)は
幹からでる枝のようにひさしを支えています。
設計:川添純一郎建築設計事務所
木材を使っている事で
きゃしゃな美しさと柔らかい雰囲気
つい目が止まり集まって来そうな
そんな空間を作っています。
こんな大空間を作る場合、鉄骨などで組む場合が多いですが
木だからこそできる
柔らかな空間は素材が持つ特性を生かしているからこそと
思います。
【床を壁と天井にまわす】
空間を作るのは広さはそのものですが
素材の選び方、使い方よっても変わります。
床と同じ素材を
壁にそのまま立ち上げ
天井までまわす。
こうする事で一体感がでて
空間が広く個性的に見えます。
家具との色あいも大切です。
空間はつながっていても
LDKの中で素材が空間を仕切ってくれています。
壁をマグネット対応にする塗料
1Fが店舗、2Fが自宅というお家です。
これは、店舗に入って正面の壁です。
先日、投稿したお家は黒板でしたが、
ここはマグネット塗料で塗った掲示板です。
お店で頻繁に変える掲示物を
磁石で付けはずしできるようにしています。
黒板にする塗料もあります。
価格は意外と高いのですが
好きな場所の壁がマグネットになっているのは
個人のお宅でも便利ですよね。
そんなに広い範囲でないなら、
これも一つ取り入れても良い素材ではないでしょうか?
冷蔵庫にぺたぺた貼るより
決まった壁をマグネット仕様にしておくと
サイズも気にせずに貼れます。
黒という色が持つ
キリっとしまった空間が
部屋のポイントにもなっています。
好みの家
壁は漆喰(しっくい)、
床は自然木をつかい、塗料は自然素材で、
赤ちゃんがなめても大丈夫な物を使っている
この家はそんな素材を大切にした家です。
それだけでなく、
部屋全体の色合いや素材の雰囲気
照明、出窓や窓の景色。
何気ない写真の中に
施主の好みや想いが詰まっています。
右の階段はロフトに上がるハシゴ。
上がると草屋根と空が見えます。
素材の持つ自然という特性はもちろんですが、
そうした自然素材でできた空間は
その部屋自体がやわらかな、優しい雰囲気です。
素地の板材で内装を仕上げる
リビングです。
途中ではなく、内装をランバー(ベニヤ)板で仕上げています。
下地仕上げではなく
素材を見せる形にするので
綺麗な大判の板材を使い
見えるようになるので、大工手間も
結構かかる仕上げになります。
ただ、クロスがないぶん
材料費や手間賃もなく
素地のままの仕上げは潔く、
スッキリカッコイイ空間になっています。
ソファの雰囲気ともよく合っていて
照明なども素朴な感じがまた、この内装にぴったりです。
そう見えるのも、フローリングの素材に
質の良い物を使っている事もあります。
材料は何もかも高価なモノを使わなくても
1つしっかり良い物を選んでおくと
空間はしまって美しく見えます。
単に、素材といっても
その素材の使い方には
場所によって意味もあります。
素材を上手に使って、オリジナルな空間を作ってみて下さい。