窓、ドア、扉など建具の工夫
「建具」=たてぐと読みます。
窓やドア、扉など、開く部分にある開け閉めする仕切りです。
家の中にとてもたくさんありますよね。
そのひとつひとつがどんな用途で使われるかによって
形や開き方、大きさも含めて
使い勝手良く作ると、とても使いやすくなります。
規制の物が当たり前と思っていますが、
作る事もできます。
【左右から開く】
通常より大きな収納にする場合
扉を普通のサイズ3枚にすることもありますが
閉める時に位置が気になりますし
費用もかかるので、一回り大きくして
大きな2枚引き戸にする場合、
両サイドに取手を付けると便利に使えます。
意外と忘れがちで、無いととても使いにくいものです。
設計:studio-tanpopogumi
【建具の明り取り】
建築家は「垂れ壁」と「雨とい」が嫌いです。
・戸ビラの上の天井までの短い壁は
空間の広がりを止めるモノ
・屋根の雨を流すパイプは
見えない方が美しいモノ
マイナスの美学という感じ。
プラスする事でいいな!と思うのは
ちょっとした所に見える遊び心やこだわりです。
ドアの明り取りに段々小さくなる〇を7つ
住む人も訪れる人も見たら嬉しくなります。
設計:川添純一郎建築設計事務所
【見たい景色に開く】
なかなかこんなに素敵な景色を
自宅の庭に持つ方は少ないですが・・・
全開口にして外とつながるように
部屋と縁側をフラットにすると
途切れることなく景色が部屋と近く感じます。
引違い戸ではなく、全てのサッシを引き込むよう
1つの壁にしまえるようにすると
窓が残らず、窓の分だけ景色が見えます。
明るさだけでなく、外とつながる開放感は
すがすがしく気持ちよいものです。
設計:和田修二環境建築工房
【ステンドグラスの扉】
レトロモダンというのでしょうか?
今の家の良さと古風な昔の良さを
好む施主の好みを取り入れた家です。
そのイメージをステンドグラスとして
建築家が提案した1つが
2階リビングの建具(とびら)です。
1階から上がって来ると
正面にあるこの建具から光がとても綺麗です。
【天井までの扉】
垂れ壁(たれかべ)ってわかりますか?
扉の上にある、天井から下がる短い壁の事です。
なぜあるかというと
扉がまわりのワクとセットだからです。
規格のサイズの扉を入れると
垂れ壁が必要になると言う事です。
天井までの扉にすると
部屋と部屋を仕切る短い壁がないことで
視界が通る事でスッキリ広く見えます。
【見えないドア】
坪庭の見えるスッキリと広い玄関、
向かって右側の壁に黒く線が入っている所、
そこが、プライベート玄関の入り口です。
壁のようなドアを軽く押すと開き、
同じタイルが続く土間があり
もう一つの玄関から室内に通じています。
中は2帖程で壁全体に棚が設置してあり、
ベビーカーの収納やコートを吊っておく所、
幼稚園の制服や鞄もここに置いておけます。
いつも玄関はスッキリとした状態を保てます。
【見せる扉】
室内で、頻繁に開閉する扉は
安全も兼ねて先の部屋が見えるようになっています。
よくあるのは框(かまち)ドア。
木枠の中側にガラスがはめ込んであるものです。
明かり取りも含め、
先の部屋が見えるようになるために
ガラスなど、透明の材料を使うわけです。
ここは玄関を入ってリビングに入る扉。
透明なガラスではなく、格子戸にして
視線を確保しつつ、その扉自体も見せるトビラです。
気配もわかる上に部屋のアクセントになり
空間に映える扉です。
割れないガラスの扉
室内のドア、特にリビングに入るドアは
どっちから人が使うかわからないので
ぶつかったりしないよう
ガラスであえて見せるようにしたり
スリガラスを使って気配を感じるようにしたりする事がります。
よく、かまちドアと言って
チョコレートのように小さな窓が並んだようなドアにしたり
細く長い明かり取りの窓をつけなようなドアにしたりします。
ただ、割れる事を考えると
ガラスを使うのはちょっと気になります。
そこで、
お子さんがいる家庭や閉める時に気を使うため
今は、強化ガラスより強く軽い
ポリカーボネートと言うプラスチックを使う事があります。
このおうちは、子供部屋の入り口の戸に
細い縦のラインが見えるようなポリカを使い
廊下の明るさを確保しつつ
気配がわかるようにしています。
誤って、強くしめても割れることがないので
室内の扉には安心です。
しかも、軽い素材なので
ドア自体も軽く開ける事ができます。
見た感じはガラスのように見えますし
種類も多く、
もっとガラスに近い感じのモノもあります。

