階段のデザインを考える【作り方の工夫したポイント】
階段といってもいろいろな種類があります。
螺旋階段や下が透けて見えるもの、鉄を使ったもの、木製など。
階段を作る際に考えるポイントはこの3つ。
- その他の用途に利用するか
- 空間を圧迫しないか
- デザインか実用性か
上記のポイントを押さえて工夫しながら、家の雰囲気にあった階段を選んでみてくださいね!
【舞台のような階段】
なるべく見えないよう、通路として作ることが多い階段。
子供がリビングを通って上がれるようになど、上下階の行き来をあえて見えるところに作る場合。
ミュージカルのように、目立つ所に階段を設置して壁面を違う仕上げにすると、違う階段の表情になります。
設計:(株)庄司圭介アトリエ
【スケルトンな階段】
この階段はスケルトンにして軽くみせつつ、黒鉄の手すりをポイントに。
窓を上下に取って明るさを確保しながらも、収納と絵を飾るスペースにも利用しました。
何気なく様々な工夫がされています。
設計:(株)セイ建築設計室
【透明感のある階段】
空間を邪魔しないために、鉄骨を骨組みに、踏み板を強化ガラスにしました。
階段の存在はあるものの、向こうのお庭が見える軽やかな階段にしています。
設計:(株)庄司圭介アトリエ
【欠ける階段】
階段作りにおいて、お客様の要望を入れてプランニングしていくことは、面積が小さい程大変です。
この階段の一段目は三角に欠けています。
動線を考えスムーズに通れるように、斜めにカットしているのです。
面積を抑えつつ使い勝手を考えた建築家の知恵です。
ほんの小さな事ですが、こういう所を見ると建築家と家を作りたい思います。
設計:SPACE-CREATION高木建築事務所
【かくれる階段】
作りつけの机があるリビング。
壁収納の一番左側に見えるのは、2階に上がる階段です。
そうです。
収納と同じ色の引き戸で、開けると階段になっています。
上がる暖気や下がる冷気を遮断して、上下階を季節で快適に過ごせる工夫です。
設計:Studio tanpopo-gumi
【見せる階段】
間取りに影響のある階段ですが、造形として気になる所でもあるので見せ方もそれぞれです。
このお家は段差を利用して収納を取り入れつつ、それがデザインにもなっています。
暗くならないよう上部をガラスにしている事で、デザイン性も高く感じます。
設計:山岡哲哉建築設計事務所
【階段を出す】
階段は上下階の移動に必要ですが、その分の床面積が取られてしまいます。
いっそのこと、階段を室内に入れず外に出してタワーのようにすると、部屋も取りやすくなります。
設計:内田雅章建築設計事務所
【一本足の階段】
1階から2階への移動手段としてどうしても取らないといけない階段。
収納を取りこみムダにしない。
場所を取らず上手に空間を利用して作ったり、あえてオブジェのように見せる階段のかけ方もあります。
スキップフロアで半階だけ上がる階段。
真ん中の柱を一本通す、見た目も美しい階段があります。
設計:SPACE-CREATION高木建築事務所
【階段横にフリースペース】
階段を上がったところには、各部屋へのアクセスのために空間を取ります。
3階へ行くための階段横。
ここにフリースペースを取りました。
各部屋への物の移動、作業台、遊ぶ空間、家事室など、使う人や目的を決めることなく便利に使えます。
少し長く取ることで複数の用途の利用もできます。
【室内になじむ階段】
この階段は、壁も柱も作らず空間に設置し、下をそのまま室内のように使っています。
上がる手段だけでなく、面積をじゃませず美しく見せる階段です。
設計:川添純一郎建築設計事務所
【階段 兼 家具】
下に収納を作ったり、天井が斜めのトイレを作ったり。
よくある空間を上手く生かすための工夫です。
この家はなんと、リビング階段とテレビボードをくっつける斬新なプランです。
【軽い階段】
マンションから2階建ての戸建てになるデメリットとしたら、ワンフロアの生活が上下階になること。
そして、そのために階段を取らないといけないこと。
当たり前なのですが、面積的にももったいない所です。
できるだけ、存在としても空間としても軽くして部屋に取りこんだ階段です。
【シャープに見える階段】
白い壁に濃いめの床、そこに細くシャープな印象のストレート階段。
空間の中の色や配分は、見る人に感じさせるものです。
階段を鉄で作り、踏み板裏側の手前の角部分を少し落とし、あえて階段を細く見えるようにしています
【階段の壁を黒板にする】
白い壁は画用紙に見えるのか?
子どもはいたずら書きをすることがありますよね。
じゃあ逆に自由に書けるスペースにしようと、階段の壁一面を黒板にしています。
なかなかこんな大きなキャンパスはありません。
階段に座って書いている様子が目に浮かびます(*^-^)
【階段に滑り台】
考えた事がある方はいるかもしれませんが、実際作っているお家はなかなか見ないのでは?
このお家は、施主の要望で家のあちこちに仕掛けのある家です。
子どもの友達が集まる家ですが、大人も自然と集まります。
少し先の話ですが、孫が来る家としても楽しいでしょうね。
【光の通る階段】
階段は必要だけど、難しい部分です。
壁で囲って収納にするとか、一直線で部屋の一部に取り込むなど、いろいろなかけ方があります。
どこに作るか?
どんな風に作るか?
家やプランによって様々です。
この家は、造形として階段の形そのものを楽しみ、空間として見せるスペースにしました。
踏み板だけのスリット階段にすることで、光を通し、軽く見えるよう演出しています。
階段の下にはコンセントを設けたので、椅子がある所に、ツリーを飾ったりと季節によって様々な見せ方ができる空間です。
【家具でできた階段】
階段は上下階の行き来に必要ですが、その面積はワンフロアにはない余分なところになります。
階段がリビングにある場合、収納として使うことがあります。
箱型の単なる収納にするのではなく、この階段は家具として別に作り、組み合わせて設置しました。
リビングは何かと小物の収納が必要なところ。
横から収納として使うというアイデアです。
奥行きがあり過ぎると使いにくいので、奥半分は階段下収納として掃除機などをしまうスペースにしています。
踏み板を上げたり、蹴込みを引出しにして収納という形もありますが、このような形にすることで本棚のように使えます。
上手に階段を工夫して収納スペースにできたらいいですよね!
【階段を利用して空間をつくる】
階段は、いろいろと工夫することで有効に利用できるスペースでもあります。
このお家は、細長い土地を利用して3階建てで設計しています。
階段を家の中心に持ってくることで、動線がとても良くなりました。
家の中心にあるのを利用して、周りに部屋を配置して壁として利用しています。
LDKのある2階。
この階段の裏側に水回りがあります。
普通なら部屋に壁を立ててその向こう側にトイレ、洗面を作るのですが、階段がその壁代わりになっています。
しかも、トイレに入るための動線が2つ。
LDKからも洗面所からも入れるようになっています。
そして、階段の壁面には飾れてちょっとしたモノを置ける棚にもなっています。
半分は柱を立ててスリットをつくり、目線を通す事で空間も軽く感じられます。
こうしたひとつひとつの工夫が、いろいろな効果や使い勝手をからめて空間を演出しています。
【曲線を取り入れたデザイン階段】
建築家と家作りすると何でもできるので、たとえばこんな階段もできます。
勾玉のような形に一段目から踏み板を一段ずつ。
丸い壁にそってらせん型にあがるようにデザインされています。
手すりは鉄の支柱に黒い縄を通しただけ。
丸い壁の部分はトイレです。
リビングに大きな木があるようなプランで、普通の家とは明らかに違います。
費用が高くなるわけではなく、似合う素材や材料を使って全体予算の中で1つずつ打合せして作っていく例です。
お客様の好みや住まい方、要望に合わせて提案してくれるので、依頼主と建築家だけの家ができます。
そんな遊び心を持った家作りも楽しいです。
【階段の壁を棚にする】
上下の部屋をつなぐ階段に棚を作っています。
リビングで読んだ時。
個室で読んだ時。
通り道の「階段図書館」に返して下さい。
それに、お母さんが干してたたんだ洗濯物をここに置いておけば子どもが持って上がるなんてこともできます。
上下階のちょい置きができて、思った以上に用途があります。
【まとめ】
真似したくなってしまう階段は見つかりましたでしょうか?
階段を作るときは、上下のフロアの間取りを考慮する必要があります。
「どんな階段で繋ごう?」そんなふうに考えてみてくださいね。
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