窓・カーテン・ブラインドの工夫 その1
ここでは、デザイン窓や建築家が工夫した窓の取り方などを紹介しています。
どこに窓を取ればいいのか、どうすれば狭い土地でも明るくすることができるかなど、いくつか例を挙げています。
【外ブラインド】
窓は景色を楽しむ、換気などの要素もありますが、何より室内の明るさのために必要不可欠。
もし、窓の外が見たい景色でないなら、窓の外にルーバーを付ければ光を取り入れつつ視線を避けることが可能です。
全面ガラスにできるので、室内がとても明るくなります。
設計:(株)庄司圭介アトリエ
【窓を床に取る】
窓は間取りを考え、効果的に取らないといけません。
窓には、
- 明るさを確保する
- 景色を見る
- 通気する
- 空間を広く見せる
という、とても大事な効果があります。
床と外のデッキをつなげる窓は、視線を避けつつ広さを確保するためです。
設計:川添純一郎建築設計事務所
【西日対策】
暖かさが必要な冬とは逆に、西日が厳しいと夏は夜中まで暑さが残ります。
このお家は室内に障子を横に使いました。
家のイメージに合わせ、室内からのデザインも考えながら西日を軽減しています。
設計:芦田成人建築設計事務所
【窓カベ】
同じ家にいても2階の部屋にいると1階の様子がわからないものです。
ここは2階で、この室内の窓の下は1階のリビング。
吹き抜けにすることもできます。
つながげれば人の気配を感じ、上下階にいても空間を共有し換気できます。
閉めれば室内の窓がカベになり、個室になります。
設計:HAUS
【北の光】
建物が建てこんでいる住宅密集地。
交通や生活には便利ですが、高い建物も多いので光を取りこむのに工夫が必要です。
このお家の右側の窓は北側です。
左の南側には窓を取っていません。
敷地いっぱいに高い建物が建っているので、南からではなく北側からの光を入れたリビングです。
自然光だけでこんなに明るくなります。
設計:内田雅章建築設計事務所
【壁を窓にする】
この土地を購入したきっかけは眺望の良さでした。
それを生かして提案してくれたプラン。
どうしても構造上必要な壁の部分に、筋かいを見せて窓にしています。
鉄骨などではたまに見ますが「木造でもこんなことができるのか」って驚きました。
これは建築家が入らないとできない提案です。
設計:村岡デザイン事務所
【ロフトから】
通常ロフトを作るのは、収納の確保のため。
ですが、このお家は景色のためにロフトを作りました。
隣の家の向こうに広がるとても綺麗な景色。
この景色を障害物なく切り取る窓の高さが、ロフトに置いた椅子に座った高さです。
家族みんな、ここに上がって作業することが多いとのことです。
設計:村岡デザイン事務所
【天窓の効果】
明るさは建築基準法でも決められているほど必要な要素ですし、暗いと気持ちも暗くなります。
電気を必要以上につけるのも省エネから見たら無駄です。
特に玄関や階段など電気のオンオフが多い場所は、天窓を付けると省エネの効果があります。
壁面の窓より3倍の採光効果があります。
付ける場所を考えれば風も通せるので、換気しつつ防犯にもなります。
天窓で明るさが取れれば壁の窓は必要ないので、家具も置きやすくなるのです。
設計:ランドサット
【家具の上に窓】
部屋には収納が必要です。
特にリビングには人が集まる分、必要な物も多いところ。
収納を取るために壁が必要ですが、部屋の明るさを取るためには向きや配置が気になります。
収納のための壁を取るために、明るさを確保しつつハイサイドライトの窓を家具の上部に設置しました。
こうすることで、明るさも収納量も確保できます。
設計:川添純一郎建築設計事務所
【続く窓】
玄関は人を招く入り口。
その家の印象を感じる部分でもあります。
室内へのガラス戸を通して、同じ高さで続く窓を見せています。
まっすぐ続く窓は奥行きを感じさせますし、室内へと招く印象を感じさせます。
設計:HAUS
【窓を使い分ける】
壁紙やフローリングをどれにしようと悩む方は多いですが、窓をそこまで選ぶ人はあまりいません。
しかし、壁やフローリングは後から変更できますが、窓は難しい。
- 種類
- 材質
- 使い勝手
- 大きさ
- 形
窓の種類はとても多く、付ける位置も様々です。
その場所の用途に合わせて選ぶことは、日々の生活にとても大切なことです。
写真正面は両サイドが開く引違い窓。
左が縦滑り出し窓、右は障子をはめ込んだFIX窓。
窓1つでその部屋の雰囲気も変わります。
設計:嶋津建築設計事務所
【外の天窓】
リビングの一角に、外の光が柱のように上から注ぎ、風が通るデッキがあります。
庭から上を見上げるとこんな感じ。
まるで、家の中にある天窓のように空が切り取られています。
そしてこの窓は2階の部屋の内窓にもなっているのです。
室内は明るく、完全にプライバシーを守る各部屋に光と風を届ける空間です。
周りが建てこんでいる場合でも、上部からの光を入れればとても明るい家になります。
設計:川添純一郎建築設計事務所
【窓とテーブルを合わせる】
お気に入りの場所で景色を見ながらほっと一息する。
そんな場所が家にあったらステキです。
好みの木質のテーブルに合わせて、サッシ枠を壁に四方隠したFIX窓。
窓枠とテーブルの高さを合わせたので、そのまま外と繫がっているようです。
お茶をしながら、家族ともお友達とも話が弾みそうです。
設計:Studio tanpopo-gumi
【サッシのサイズ】
今はペアガラスは標準で、サッシの性能も高くなりサイズも大きくできます。
冷暖房の効率を考えるとあまりよくありませんが、少し大きく取るだけで明るさ広さが違います。
中庭に面するリビングの窓。
思い切り大きく取る事で、部屋自体の広さや解放感も全く変わります。
【窓の形】
決まっているわけではないですが、窓は当たり前に四角です。
たまに和室の丸窓をみるくらい。
でも、カーテンもいらない内窓なら少し違うだけで個性的に見えます。
玄関に入った時の正面の窓。
デッキを共有するリビングが左手にあるので、それを少し隠す意味でも窓を斜めにしたデザインです。
設計:㈱庄司圭介アトリエ一級建築士事務所
【高窓だけの部屋】
地域のコミュニティスペースとして建てられた建物。
回りがガラス張りで、駐車場の真ん中にある目立つ建物です。
中央にある会議や事務室として使う部屋。
部屋の上部をグルリと高窓にして、電気だけに頼らず明るさを確保しました。
周囲からの目線を切り、業務に集中できる空間を作っています。
設計:川添純一郎建築設計事務所